「完全食」で腸内環境を改善できるのか考えてみました!

「完全食」で腸内環境を改善できるのか考えてみました!

腸内環境を意識したことはありますか? 腸内の善玉菌の働きが低下し、悪玉菌が増えると、便秘や下痢、お腹の張りに悩まされるようになります。腸内環境が悪化する原因は食生活の乱れ、特に食物繊維の不足は深刻です。全ての栄養素を含む「完全食」には食物繊維が含まれていますが、今回は完全食で腸内環境を改善できるのか考えてみました。

 

サヨコ

現代人は便秘や下痢などに悩んでいる人が多いですが、完全食で腸内環境を整えることができるでしょうか?

あなたの腸内環境は大丈夫?

 

あなたの腸内環境は大丈夫?

腸の働きは食べ物を分解して便を作る、それだけだと思っていませんか? 実は腸は体の要とも言える器官であり、全身に影響を与えています。腸の働きが低下すると、便秘などのお腹の不調に留まらず、免疫力の低下、肌荒れなど全身の不調に繋がるのです。自分の腸内環境が乱れていないか、急に気になり始めた人もいるのではないでしょうか。

 

ケースケ

まあ、腸内環境が良いと言い切れる自信はないな(笑)

ユカ

私も…。

腸内環境は腸内細菌のバランスで決まる

みなさんは「腸内フローラ」という言葉を聞いたことがありますか? 私たちの腸内には100兆個以上の腸内細菌が生息しています。腸内フローラとは腸内に生息する細菌群のことで、「お花畑のように見える」ことからこう呼ばれています。

腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分けることができます。善玉菌とは体に良い働きをする細菌のことで、乳酸菌やビフィズス菌が該当します。悪玉菌とは人に悪さをする細菌のことで、その筆頭は大腸癌のリスクを高めるとされているウェルシュ菌です。日和見菌とは善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢なほうに味方する細菌のことです。

腸内環境を安定させるにはこれらの腸内細菌のバランスが大事で、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の割合が理想的とされています。腸内に生息する善玉菌の数が悪玉菌を上回っていれば、日和見菌が味方をして良好な腸内環境を保つことができるのです。

 

タケル

腸内細菌のバランスが重要なのは知らなかったなー。

悪玉菌が増えると腸内環境が悪化する

では理想的な腸内細菌のバランスが崩れたとき何が起こるのでしょうか? 腸内の善玉菌の数が減少すると、それまで善玉菌によって抑えられていた悪玉菌の活動が活発になります。悪玉菌は食べ物に含まれるタンパク質をエサにして増殖し、アンモニアや硫化水素といった強い刺激臭を発する有毒物質を作り出して腸内を腐敗させていきます。おならや便が臭いのは、腸内環境が悪化している証拠なのです。

腸内環境の悪化が引き起こす不調

腸内環境が悪化するとお通じが不安定になります。何日もお通じが来なかったと思えば、急に下痢をしたり、お腹が張ってすっきりしなかったり…。

しかも症状はお腹の不調に留まりません。腸内環境が悪化すると免疫力が低下して、風邪やインフルエンザに罹りやすくなります。

 

サヨコ

腸内環境の悪化は体の免疫力にも大きな影響を与えます!

さらに悪玉菌が食べ物を腐敗させて溜め込むことで消化・吸収を妨げ、代謝が低下して太りやすくなります。ほかにも腸内で溜まった有毒なガスが毛細血管を通って皮膚から排出されることで、肌荒れや吹き出物などの肌トラブルの原因にもなります。

腸内環境は食生活で決まる

腸内細菌は食事に含まれる栄養素からエネルギー源を得ています。善玉菌は糖の固まりである食物繊維やオリゴ糖、悪玉菌はタンパク質をエサにして活動しています。つまり何をどれだけ食べるかで腸内環境が決まるのです。いま若い世代で腸内環境が悪化している人が増えています。その原因として指摘されているのが食生活の変化です。

食生活の変化が日本人の腸内環境を悪化させた

 

食生活の変化が日本人の腸内環境を悪化させた

日本では昭和の中頃からいわゆる食事の欧米化が進み、肉類を食べる量が右肩上がりに増え、反比例するように野菜を食べる量が減りました。悪玉菌は肉類に含まれるタンパク質が大好物です。食物繊維は腸内で善玉菌のエサになり、腸内環境を整えてくれます。食生活は腸内環境に大きな影響を与えているのです。

食物繊維の摂取量はこの65年間で2/3に減少した

善玉菌のエサとして欠かせない食物繊維ですが、厚生労働省では「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、1日あたりの目標摂取量を男性は20g以上、女性は18g以上に設定しています。

日本人の食物繊維摂取量は、1950年頃には一人あたり1日20gを超えていました。ところが食生活の変化によって穀類・いも類・豆類の摂取量が減少し、厚生労働省が行った2015年の調査では1日あたり14g前後で推移しています。つまりこの65年間で食物繊維の摂取量が2/3に減少したのです。

 

ユカ

食べるものが全く変わってしまったのね。

ケースケ

だからといって昔の食事に戻すってのも難しいよね…。

積極的に摂りたい食物繊維・オリゴ糖・乳酸菌

腸内環境を改善したいなら食生活を見直す必要があります。悪玉菌を増やす肉類は食べる量を減らし、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂るように意識しましょう。

食物繊維は3000~10万個もの糖がくっついているので、ほとんど消化されずに善玉菌のエサになります。オリゴ糖は糖が3~10個くっついた糖類のことで、こちらもほとんど消化されず善玉菌のエサになります。

そして忘れてはならないのが乳酸菌です。いま巷では「菌活」という言葉も登場するほどに注目されるようになりました。体に良い働きをする善玉菌を摂取することで、腸内にもともと生息している善玉菌を活性化して腸内環境を改善することができるのです。

完全食+菌活で腸内環境を改善

 

完全食+菌活で腸内環境を改善

完全食は人間が生きていくうえで必要な栄養素を全て満たした食べものです。腸内で善玉菌のエサとして働く食物繊維も含まれていますが、腸内環境は人によって千差万別、既に悪玉菌の増加によって腸内腐敗が進んでいる人の場合は完全食だけで食物繊維を摂るだけでは不十分です。そこでおすすめなのが完全食と菌活を組み合わせる方法です。

 

サヨコ

ここからは完全食を活用することで、腸内環境にどのような影響があるかを考えていきます。完全食について詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください!

1日に必要な食物繊維は完全食から

完全食は必要なタンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維を過不足なく満たした食品です。栄養価の面だけを評価するなら満点で、極論するとこれさえ食べていれば生きていくことができます。もちろん食物繊維も1日に必要な量を満たしているので、完全食さえ食べていれば食物繊維が不足することはありません。

例えば日本でも購入できる「COMP」には、2200kcalあたり24~33gの食物繊維が含まれています。これは厚生労働省が設定している目標量の1日20gを大きく上回ります。

完全食に含まれていない乳酸菌

乳酸菌やビフィズス菌には優れた整腸作用が期待できます。しかし、残念ながら完全食には含まれていません。乳酸菌は発酵食品に含まれています。腸内環境を改善しようと思ったら、完全食だけに頼るのではなく、発酵食品を毎日の食生活に取り入れる菌活と組み合わせることをおすすめします。

 

ケースケ

なるほどね、一緒に食べれば良いのか。

ヨーグルトやチーズと組み合わせる

ヨーグルトやチーズと組み合わせる

乳酸菌で発酵させた食品と言えばヨーグルト、完全食と相性が良いのでおすすめです。完全食はパウダータイプとドリンクタイプが主流です。これにヨーグルトをプラスしましょう。

ヨーグルトのメリットは食べやすさ、さわやかな酸味は食欲を増進させますし、消化に良く胃腸に負担がかかりません。食べ応えが欲しいという方にはチーズもおすすめです。チーズも乳酸菌で発酵させた食品です。

 

タケル

パンタイプのベースブレッドなんかは合わせやすいね。

漬物・味噌・醤油で菌活

乳酸菌で発酵させた食品はヨーグルトなどの乳製品以外にもたくさんあります。日本の伝統的な漬物も多くは乳酸菌で発酵させていて、その代表はぬか漬けです。

海外の漬物なら韓国のキムチがおすすめです。ただし近年では発酵させずに調味料で味付けしただけの安価な漬物が増えているので、スーパーなどで購入する際は原材料表示を確認しましょう。

さらに乳酸菌は和食に欠かせない味噌・醤油にも含まれています。つまり「菌活」とは「伝統的な和食を見直すこと」になるのかもしれません。

まとめ

 

完全食には善玉菌のエサとなる食物繊維が含まれていますが、菌活と組み合わせるとより効果的

腸内環境が悪化するとお通じが乱れるだけでなく、風邪やインフルエンザに罹りやすくなったり、太りやすくなったり、肌が荒れるなど全身の不調に繋がります。そこで見直したいのが食生活です。完全食には善玉菌のエサとなる食物繊維が含まれていますが、菌活と組み合わせるとより効果的です。ヨーグルトやチーズ、漬物などの発酵食品を積極的に摂りましょう。

 

サヨコ

今回は完全食を活用した腸内環境の整え方について考えてきました。次回も完全食について取り上げます!