完全食のメリット、デメリットとは何か?
健康な生活を送るために必要な栄養素を全て備えた完全食。世界中で注目されているこの食品は、一体どのようにして私達の生活を豊かにしてくれるのでしょうか。また、食べ続けても生活や健康に問題はないと言えるのでしょうか。完全食のメリットとデメリットについて解説します。
完全食のメリットは?
完全食はそれ一つで食事を完結させる事を目的とし、必要な栄養素を理想のバランスで含有した状態の食品です。つまり、完全食を摂取すれば生きていけるという事です。食事が疎かになりがちな現代社会において、この利便性がもたらすメリットはとても大きなものと言えるでしょう。
まずは完全食のメリットについてまとめていきます!
バランスよく栄養摂取ができる
2005年に厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」では、料理(食品)を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つに分類し、適切な量とバランスで食事を行うことを推奨しています。しかし、それをクリアするためにどんな栄養素がどういった食材に含まれているのかといった栄養学的な知識や、食材を沢山揃えなければならないコストを考えると、毎日実践することはなかなか難しいのが現状です。
まあ、確かにほとんどの人はバランスの良い食事をしている自信はないからね。これは助かるよね。
完全食はそれ一つで人間の生命活動に必要な栄養素の基準を満たした食品です。そのため、栄養学的な知識が無くても必要な栄養を摂取できることが何よりの魅力であると言えるでしょう。
食事にかける時間を短縮できる
現在販売されている完全食はそのまま摂取できるグミタイプや液体タイプ、水や飲み物に溶かす粉末タイプなど様々な形があります。いずれも調理の手間をかけずにすぐに摂取できるので、通常よりはるかに短い時間で食事を済ませることができます。洗い物も最低限で済むことから、仕事や学業で忙しい方や災害時の備えにピッタリです。
食事の準備や片付けが最低限で良いというのは僕にとっては大きなメリットだなー。
スポーツと併用すれば健康的にダイエット可能
無理のない効果的なダイエットを行うには適切な運動に加え栄養バランスの整った食事が必要不可欠です。完全食は薬やサプリメントではないため直接痩せるといった効果はありませんが、体を作るタンパク質は勿論、脂肪の燃焼に関与するビタミン類も含まれています。また、気になる脂質や糖質も必要な量に留まっているので、過剰に摂取してしまう心配がありません。新たなダイエットのスタイルとして今後に期待が寄せられています。
なるほど、必要な栄養は摂取できてダイエットできるのは良いよね!
完全食のデメリットは?
これまでの食事とは大きく異なる点がメリットである一方で、それがかえってデメリットとなる可能性もあります。
「食」の楽しさはやや不足する
調理された食事には香りや味、食感、季節感や見た目といった五感で楽しめる要素があります。一方で完全食では『手軽に摂取する』という目的を追求しているため、そうした食の楽しみは後回しにされています。独特の味や香りが合わないという意見も根強く、今後の課題とされています。また食事にかかる時間そのものが少なくなるので、食事を通して行われていた家族や友人とのコミュニケーションの機会が減ってしまう可能性があります。
なるほどね。
家族や友達とのコミュニケーションは大事だし、おしゃべりも楽しいよね!
完全食への依存で食べものに興味を失う可能性がある
完全食は『食材を調理する』という過程を省いているため、食材そのものに触れる機会を失います。食を通じて農家や家畜への感謝の気持ちを覚えたり、生きるために必要な栄養について学ぶ「食育」ができなくなる恐れがあります。また、これまで家庭内で継承されてきた地域の伝統的な食文化の衰退が加速する可能性も否定できません。完全食への依存は特に子供に与える影響が大きいと言えるでしょう。
食育は現代でも非常に重要なものです。完全食に食事を依存してしまうのは、やや安易と言えるのかもしれませんね。
完全食のデメリット改善方法
デメリットはありますが、それでも完全食が魅力的な食品であることに変わりはありません。大切なのは、完全食の特徴を知り現在の食事にうまく取り込むことです。通常の食事と完全食との共存について考え、健康的な生活へ繋げてみませんか?
完全食をアレンジして楽しく味わう
完全食の独特な風味や味をカバーして食べやすく、また毎日食べても飽きないようにするため、完全食にアレンジを施して楽しむ方法が数多く考案されています。現在販売されている完全栄養食には液体タイプ、粉末タイプ、グミタイプの他にもアレンジを前提としたパンタイプや麺タイプなどがあります。麺タイプはパスタソースを使う、ラーメンや焼きそばとして使うなど、通常の麺と同じように使うことができます。
僕は朝食にベースブレッドを食べているけど、ハチミツとかバターとか毎日変えて食べているしシンプルな味だから今のところ飽きてない。
また、必ずしも完全食を単体で食べる必要はないため、通常の食事に1品プラスするという方法もあります。メーカーやユーザーがより美味しく食べられるようなレシピをシェアしているので、積極的に活用していきたいですね。
1日3食全てを完全食に依存しない
3食のうち一部の食事のみを完全食にする方法も有効です。栄養バランスや量が疎かになりがちな時間帯の食事であっても完全食なら必要な栄養素を摂ることができるため、1日のうちに摂取する栄養素のバランスはより整いやすくなるといえます。仕事の忙しい時期、試験の前など追い込み期間でも短時間でしっかりと栄養がとれるのは嬉しいですね。
あえて料理をする機会を設ける
週末は完全食ではなく料理を作る、お正月やお祭りの時期には自宅で郷土料理を作る、それぞれの季節で旬の食材を使った料理を作るなど、料理をひとつのイベントとして取り入れるのも有効です。料理を通じて家族との交流が生まれ、また家庭や地域の文化が受け継がれていくでしょう。完全食にはない料理の良さをあらためて知ることのできるきっかけを作っていくことも大切です。
なるほどね、イベントとしてやる料理は楽しいかもしれないね。
完全食はこれからの「食」のスタンダードに
完全食は開発されたばかりの新しい食品であり、その可能性は未知数です。今後より様々な味や形の完全食が登場するかもしれません。食の健康志向に注目が集まる中、完全食の登場によって食事そのものが変わろうとしているのです。
健康寿命を伸ばす食べもの
高齢化社会である現在、食が細くなった高齢者に対しても効率的な栄養の摂取が課題となっています。
加齢と共に全身の筋肉量や筋力が減少するサルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)は、進行すると最終的にロコモティブシンドローム(運動器症候群)と呼ばれる「歩く」「立つ」が困難な状態へと繋がります。サルコペニアの原因の一つにタンパク質やカルシウムといった体を作る栄養素の不足が考えられています。
栄養で健康を長く維持することができるようになるのね…。これは知らなかった。
栄養状態の悪化は他にも様々な疾患を引き起こすリスクがあるため、その改善に健康食品やサプリメントが注目されています。心身ともに制限なく生活できる健康的な期間、つまり健康寿命を延ばすためにも、完全食はその一ジャンルとして今後様々なメーカーが力を入れていくことになるでしょう。
完全食は「食べもの」アップデート
完全食ではこれまで偏ることも多かった栄養バランスも適切に摂取できるようになる他、従来の調理という煩わしい手間を省き、より時間を有効に使えるようになります。従来のサプリメントや健康食品とは違い、食事そのものと置き換えることが出来るという点でも完全食は従来の食事スタイルを180度変えてしまう新しい食品と言えます。
まとめ
完全食を中長期的に摂取することで人々にどのような効果をもたらすかについて、まだまだデータが揃っていないというのが現状です。
しかし今後研究が進みその効果について実証と改善がなされれば、より広く普及すると考えられます。私達の生活をより健康的で豊かなものにしてくれることは間違いありません。
まずは完全食についてよく知り、メリットとデメリットを踏まえてどう使っていくか考えてみましょう。
完全食のデメリットを正しく認識して利用するようにしましょう!
-
前の記事
完全食はダイエットに効果があるの?健康管理・栄養・カロリーについて考える 2019.12.14
-
次の記事
完全食はいつからあった?完全食の歴史を探る! 2020.01.31