完全食チョコレート「andew」発売!開発者中村代表特別インタビュー

完全食チョコレートの「andew」が発売されました。今回は開発者の中村代表に特別インタビューをさせていただきました。
医学的観点からの完全食の開発


「andew」は、これまで国内で発売されている完全食とは全く違うアプローチで作られたという点で非常に興味を持ちました。中村代表は起業家であるとともに医学生でもあり、表皮水疱症という皮膚難病の患者さんに食べてもらいたいというのが「andew」開発の出発だったということですが、どのようなきっかけだったのでしょうか?
そうですね、この表皮水疱症の患者さんたちは生まれつきの皮膚難病で口の中が非常に弱いんですね。なのでポテトチップスを食べると「トゲのついた板」を食べるような痛みを感じてしまうのです。
その痛みがあるために食べられるものが限られており、友達や家族と同じものを食べられないという精神的な苦しみや、栄養をなかなか摂取するのが難しいという悩みを解決する1つの手段として「andew」の開発を始めました。
患者さんに「食べられるものを提供する」ことが大前提で、栄養を摂取するために完全食のチョコレートを開発したということですね。完全食は「結果」としてそうなったという感じです。
クラウドファンディングで資金調達に成功

開発にあたり、資金を集めるためにクラウドファンディングを活用し目標の2倍もの資金調達に成功しました。世間の反応はどのようなものだったのでしょうか?
幸運なことに僕の周りには非常に優しい方が大勢いたので、「andew」開発のコンセプトに共感していただくことができました。
どちらかというと「新しい完全食の開発」ということよりも皮膚難病の患者さんたちに届けたいという僕の想いに共感していただいた方が非常に多かったですね。今回のこのプロジェクトは「想い」というものをとても重要に考えているため、その部分は非常にうれしかったです。
また、クラウドファンディングを通じて「こんな人にも届けて欲しい」という声もたくさんいただいたため、「andew」の幅を広げるためにも大変に勉強になりました。
持続可能なプロジェクトにするために


株式会社SpinLife(スピンライフ)を設立し、法人化した理由はどのようなものだったのでしょうか?
まず考えたのはこの事業を持続可能なものにしたかった、ということですね。
法人化し、しっかりと収益化し、社員の生活も保障しながらチョコレートを生産することができれば事業に関わる人も、チョコレートを食べる人も、患者さんもみんな幸せにすることができると考えています。
やはり、こういった社会的に意義のある事業をするうえでは「立ち上げたは良いが継続しない」というのが一番良くないと思うんですね。
提供する側も受ける側もどこかでそれが断ち切れるというのはお互いに不幸なことなので、「どうやったら持続するのか」ということを考えた結果、法人化に踏み切ったということですね。もちろん、法人化したから継続するわけではないのでこれからも持続できるためにどうすればいいのかを考えていきます。
「andew」開発にあたって

「andew」開発にあたり、こだわった点や苦労したことなどがあればお教えください。特に植物由来の原材料のみで作られているためヴィーガンでも食べられるという点は国内完全食市場においても非常に特筆すべき点かと思っています。
既に述べたように「患者さんに食べていただく」ということが絶対条件でした。そのため、患者さんが「チョコレートなら食べられる」というのは非常に大きい事実でした。そうしたコンセプトは今後も変わらないものです。患者さんが食べられるというのがベースにあるわけですね。
チョコレートというものが植物由来のものしかほぼ使わないもので、今回はミルクを入れないという点にこだわることにしました。
たまたまヴィーガン(動物由来の食品を摂取しないライフスタイル)の知人との出会いがあってそうした世界があることを知った後にフィンランド・スウェーデンなどに行ったのですが、そこで代替肉であったり代替ミルクが世の中に浸透しており、当たり前のように(ヴィーガン)1つの選択肢である世界を知ることができました。
日本ではまだまだヴィーガンの人は少ないですが一般化していくのではないかと思い、適応する商品を開発することにしたのです。
僕自身も非常に環境問題に興味があり、植物由来の原材料というものは生産する上で「環境コストが小さい」(環境に大きな負担がかからない)という点からもこうしたことへ配慮しました。
価格設定と差別化

世界初の完全食チョコレート「andew」は1枚あたり920円での販売となりました。価格設定も非常に難しかったと思いますがいかがでしょう?
これは難しかったですね(笑)。
既に完全食を開発している企業さまの商品が比較対象となってしまうのは正直あると思います。しかし、僕らの商品は完全食でありながら完全食の領域で戦うというつもりはあまりないんですね。
なぜなら、コンセプトが大きく違いますし、完全食であるという機能以上のものを提供できるプロダクトであるということを確信しているからです。
それは人と人とのつながりも当然そうです。また、僕自身が医学生でもあることからヘルスケアへの深い知識もあります。今後も医療への勉強を進め、医師免許を取得したりすることでもっと深い経験を積むことができるでしょう。そうなれば「ヘルスケア領域に特化した完全食」というこれまでにない価値のある完全食を提供することができると考えています。
世界一やさしいチョコレート


「andew」は「大切なひととわけあう」という「シェア」が大きなコンセプトになっているかと思います。このあたりの想いがあればお聞かせください。
そうですね。患者さんがともにみんなと食べることができるというのが大きなコンセプトになっています。
よく患者さんがおっしゃるのが、「私たちを患者としてみる前に人としてみて欲しい」ということです。世間的にはなぜか「患者さんのため」というプロダクトを作ろうとするけども、その前に自分たちは人なんだ、と。この言葉が非常に心に残っています。
確かにあえて「患者さんのため」と打ち出す必要はないと思っています。この部分は僕が何を言葉として伝えるかで補うことができるものなのです。なので全面的に患者さんのためというメッセージを掲げるのではなく、いろんな人に食べて欲しいと思っています。
僕が理想としているのは、新宿を歩いている若い女性と田舎の高齢者施設のおばあちゃんが同じチョコレート「andew」を食べている。そしてその新宿の女性が田舎に帰省したときに「andew」をおじいちゃんやおばあちゃんと分け合って食べるような、そんな世界を作りたいと考えているんです。
今後の展開について

ECサイトを介したD2Cでの「andew」販売を開始したばかりですが、今後の展開をお教えください。
やはり自分たちができることはヘルスケアの知識を活用できるということだと思っています。ヘルスケアの知識というのは中途半端な勉強では伝えることはできません。そして間違った情報を伝えてしまうリスクも命にかかわる非常に大きいものです。だからこそこの領域への参入へはなかなか難しいでしょう。
そこで僕たちは、僕自身が医学生であるということもあり、この「andew」を通じてこのプロダクトに込めた想いやヘルスケアへの正しい知識を届けることをD2Cで実現していきたいと思っているんです。

「andew」発売したばかりでお忙しい中、お時間をいただき大変ありがとうございました!
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世界初の完全食チョコレート「andew」食べてみた! 2020.06.06