咀嚼(そしゃく)は人にとってどんな意味がある?完全食を通じて噛むことの意味を再検討!

咀嚼(そしゃく)は人にとってどんな意味がある?完全食を通じて噛むことの意味を再検討!

食べ物を食べる際は、よく噛むことが大切だと言われています。しかし、最近では噛まなくても栄養をとれる食品などもたくさんあります。咀嚼(そしゃく)の重要性がうたわれるなか、こういった噛まない食事をとることはどうなのでしょうか。今回は、咀嚼(そしゃく)と食事の関係についてお伝えしたいと思います。

 

サヨコ

今回は食べるときに人が行う咀嚼(そしゃく)について考えてみます!

COMP Powder、COMP Drinkは咀嚼(そしゃく)をしない完全食

 

COMP Powder、COMP Drinkは咀嚼(そしゃく)をしない完全食

現在、完全食という食品が巷で流行しています。完全食のなかには、咀嚼(そしゃく)が必要なものもあれば、咀嚼(そしゃく)を必要としないものもあります。今から、咀嚼(そしゃく)を必要としないタイプのCOMP PowderやCOMP Drinkについて詳しく見ていきましょう。

COMPとは何か?

COMPは人の健康に欠かせない必須栄養素を理想的に配合した、日本で初の完全食です。すでにアメリカで認知度の高い「元祖」完全食のソイレントを、株式会社COMPが日本人向けの完全食に改良し2016年に商品化しました。

形態はいくつかあり、水に溶かすだけのCOMP POWDERやコップに注いで飲むだけのCOMP DRINK、携帯に便利なCOMP GUMMYがあります。

 

ケースケ

グミタイプは噛まないと食べられないね。

COMP Powder、COMP Drinkの特徴とは

COMP Powderとは粉末タイプの完全栄養食であり、➀コップにCOMP Powderを入れる➁水を入れる③混ぜる、この3ステップで食事をすることができるので、非常に時短で栄養チャージをすることが可能です。

お水はもちろん、コーヒーやコーンスープなど好みの飲み物と合わせて飲むことができます。タンパク質、糖質、食物繊維など栄養素をバランスよく含むので、飲むだけで理想的な食事をサポートしてくれます。

現在COMP Powderには、糖質の量を調整したCOMP Powder LCモデルもあります。これは、普段の食生活で摂り易い糖質を控えめに配合し、三大栄養素の比率をロカボ(low-carbohydrate)にアレンジした栄養食になります。

 

ユカ

新タイプが発売されたんだ、知らなかった!

糖質以外の栄養素は、日本人の食事摂取基準に基づいてバランスよく含まれているので、COMP Powder LCは普段の食事で糖質を摂りすぎてしまっている方に向いているでしょう。

COMP Drinkは、液体タイプの完全食でありコップに注いで飲むだけで必要な栄養素をチャージすることができます。完全食の形態の中でも、一番時短で簡単に理想的な栄養を摂取できるタイプになります。

豆乳風味のCOMP Drinkはそのまま飲むのはもちろん、豆乳の代わりとして普段の料理に用いることで健康的な食事をサポートしてくれます。

 

サヨコ

もちろんCOMPは優れた完全食ですが、それだけで食事を済ませてしまい「噛む」作業をしなくなるのは少し問題があるようです。

タケル

まあ、何かの企画でもない限りCOMPだけ食べて生活ってことも無いと思うけどね(笑)

咀嚼をしない完全食だけを食べても支障ないのか?

前述したように、COMP PowderとCOMP Drinkはとても簡単に栄養チャージができます。どちらも液体として飲むタイプになりますから咀嚼 (そしゃく) の必要もなく食事ができます。

これは、食べものを噛んで飲むという「嚥下(えんげ)機能」に問題のあるかたにとっては非常に摂り易く有効な食事となります。しかし、本来咀嚼(そしゃく)する力が十分にあるひとが、噛む必要のないドリンクタイプの食事を毎日続けたらどうなるでしょうか。

食事は1口30回咀嚼 (そしゃく) することを目安に食べることが理想だと言われています。

 

ケースケ

そう教わった気がする(笑)

子供のころも“よく噛んで食べなさい”と教わった人は多いと思います。それだけ、咀嚼 (そしゃく) には重要な意味があり、怠ると何らかの支障がでるということです。

 

ユカ

普段の食事で30回も噛んでる?

タケル

意識してないけど、30回も噛んでないなー…。

咀嚼(そしゃく)の意味を考えましょう

 

咀嚼(そしゃく)の意味を考えましょう

必要な栄養素を全て含んだ食事なら、どんな方法で摂取しても数値上は健康的な食事を摂取したことになります。

しかし、前述したように咀嚼(そしゃく)をして食事をとることも健康的な食事に繋がる重要な意味があるようです。ここからは、咀嚼 (そしゃく) の様々な意味を詳しくみていきましょう。

食物を滑らかに、飲み込みやすくする

咀嚼(そしゃく)は食べ物を飲み込みやすくし、誤って飲み込むことを防ぐ効果があります。食べ物を口に運び舌と歯を動かしながら十分な咀嚼(そしゃく)をすることで、唾液(だえき)と食べ物が絡み合いばらばらだった食べものを1つにします。

すると、飲み込む際に食べ物が飛散することなくスムーズに飲みこむことが可能となります。

特に高齢者の方は「誤嚥(ごえん)性肺炎」を防ぐために食事の際はよく噛むことが重要となります。

 

ケースケ

ちゃんと意味があるんだね。

唾液の分泌促進により消化を助ける

咀嚼(そしゃく)は唾液(だえき)の分泌を促す効果があります。唾液 (だえき) には、でんぷんを糖に変換する消化酵素であるアミラーゼが含まれています。

分子量の大きなでんぷんを分子量の小さな糖に変えることで、胃腸にかかる消化の負担を軽減してくれます。

胃は基本的に化学的消化がメインであり物質を小さくする機能は高くありません。そのため、口腔内での咀嚼(そしゃく)により、物理的消化を経て物質を小さな状態にすることが胃や腸の消化をスムーズにし、消化吸収をサポートするのです。

 

タケル

噛むことで消化しやすくなるってことだね。

食べる合図を出し、消化を補助する

食べる合図を出し、消化を補助する

咀嚼(そしゃく)は身体に食事を始めた合図をだし、身体の消化器官全体に消化吸収の準備をするよう働きかけます。

例えば、食べ物をよく噛んで食べることによって味やにおいなどの刺激が神経を伝うと、胃の蠕動を促し、無条件反射により胃酸の分泌が促進されます。

胃酸は、胃内のペプシノーゲンをタンパク質消化酵素であるペプシンに変換します。結果、咀嚼(そしゃく)をすることが胃の消化能力を高めることに繋がるのです。

カラダをリラックスさせる

咀嚼 (そしゃく) は自律神経の調整に大きく関わっています。有名な神経伝達物質の一つに、『幸せのホルモン』と呼ばれるセロトニンがあります。セロトニンには、興奮時に働く交感神経と安静時に働く副交感神経のバランスを調整し、精神を安定させる効果があります。

 

ユカ

食べるとリラックスするのは、噛むことも影響があったのね!

このセロトニンは、日光を浴びたときやエクササイズ、ヒトとスキンシップしたときなど副交感神経が働いているとよく分泌されます。

咀嚼 (そしゃく) も、副交感神経を良く働かせ、セロトニン神経を刺激することで、セロトニンを分泌し、カラダをリラックスさせる効果を持つのです。

食事をより美味しく食べることができる

咀嚼 (そしゃく) には、食べ物をより美味しくするといったメリットもあります。 前述したように、咀嚼 (そしゃく) は唾液(だえき)分泌を促進しでんぷんを糖に変換する働きを持ちます。

例えば、お米はでんぷんの塊であり、よく噛むことでそのでんぷんがたくさんの麦芽糖(マルトース)に変換されます。麦芽糖は糖なので甘みを持ちます。そのため、お米はよく噛んで食べることで、口の中で甘みが膨らみおいしさをより感じることができるのです。

 

タケル

「味の向こう側」ってヤツだな。

咀嚼(そしゃく)をしないとこんな危険性がある!

 

咀嚼(そしゃく)をしないとこんな危険性がある!

これまで、咀嚼 (そしゃく) の意味やメリットをたくさんお伝えしてきましたので、その必要性は理解して頂けたかと思います。では、逆に咀嚼 (そしゃく) をしないとどのような危険性があるでしょうか。

歯周病、虫歯、口腔内の感染

咀嚼 (そしゃく) をすることによって分泌された唾液には、消化のみではなく、歯や口腔内の衛生を保つ、または殺菌する効果もあります。

舌下腺(ぜっかせん)という唾液(だえき)腺から出る、粘液性唾液(だえき)はムチンという粘性物を含みます。このムチンは、外界から侵入する異物を防ぐ役割を持ちます。また、唾液 (だえき) に含まれるペルオキシダーゼという物質は、菌を殺す作用をもちます。

こうした、殺菌作用により私たちは外界の食べ物を安全に身体へと取り入れることができています。もし、咀嚼 (そしゃく) をせずに唾液 (だえき) 分泌量が減ってしまったら、口腔内の殺菌能力は下がり歯周病や虫歯、口内炎ができやすい身体になってしまいます。

さらに、咀嚼 (そしゃく) をしないと歯茎の血行は悪くなり、歯槽膿漏(しそうのうろう)の原因にも繋がります。 咀嚼 (そしゃく) を怠ると口腔内のありとあらゆる問題が起きる可能性が高まってしまうのです。

 

ケースケ

ガムあるけど食べる?

ユカ

もらう(笑)

ガン、肥満(メタボリックシンドローム)

唾液(だえき)に含まれるペルオキシダーゼには、発がん性物質の活性を抑制させる効果をもちます。咀嚼(そしゃく)をせず唾液(だえき)分泌量が低下すると、このペルオキシダーゼも減るのでガンに罹る可能性が高まるのです。ガン予防のためにも、咀嚼(そしゃく)は大切だと言えます。

また、咀嚼 (そしゃく) をしないことは肥満の原因にも繋がります。よく噛んで食べることは、満腹中枢に働きかけ、食べすぎを防ぐことに繋がります。肥満を防止するためにも、正しい咀嚼 (そしゃく) を意識し、ゆっくりよく噛んで食べることが必要です。

表情を持たなくなる危険性

最後に、咀嚼 (そしゃく) をしないことは、ひとから笑顔を奪ってしまうことにも繋がるのです。咀嚼 (そしゃく) という行為は、自然と表情筋(顔面筋)全体を使って行われています。口の周りに筋肉をよく動かすことは表情を豊かにしたり、顔全体にバランスよく筋肉をつけ、しわやたるみを防ぐアンチエイジング効果も持つのです。

まとめ

 

咀嚼には、食事をお美味しくしたり、表情を豊かにしたり、様々な病気を防ぐなどたくさんのメリットがある

咀嚼 (そしゃく) の意味について改めて考えてきました。咀嚼 (そしゃく) には、食事をお美味しくしたり、表情を豊かにしたり、様々な病気を防ぐなどたくさんのメリットがあることがわかりました。

ドリンクタイプの完全食だけでも栄養を摂ることは可能ですが、身体全体の健康を維持するためにも、数値上の栄養素だけでなくよく噛んで食べる食事も意識するようにしましょう。

 

サヨコ

今回は咀嚼(そしゃく)について考えてきました。健康的にも噛むことは非常に重要なことです。飲み込むだけ完全食は便利ですが、ずっと続けないように注意しましょう!